C8 ファーストライト

こんにちは!今回のエンサイ・カフェは、シュミットカセグレン望遠鏡C8のファーストライトです。


前回、フォーカス範囲の調整を終えた、2台目の望遠鏡C8で、初回観測を行いました。日時は5/10の夜22時頃、天気は快晴、場所は自宅の南向きのベランダです。

まずは望遠鏡のセッティングをします。空を見ると、春の夜空に輝く一等星、乙女座のスピカが南中に向かっています。少し東側にはさそり座の心臓アンタレスが出ていたので、この二つの星で経緯台AZ-GTiのアラインメントを行います。

当日の夜空(Star Walk 2)

続いてピント合わせです。C8用のバーティノフマスクはまだ作っていないので、1台目の望遠鏡DX130AZ用に作ったものを試しに乗せてみます。

改めてこう見ると口径差はかなり大きい

この状態で、アンタレスに望遠鏡を向けました。

アンタレス 光芒が3本交わっている

3本の光芒が一点で交わっていれば、ピントが合っている状態です。……が、少し星の大きさが大きい気もします。後から気づきましたが、バーティノフマスクは、その原理上、取り付け位置が望遠鏡の片側に寄った状態だと、光芒のずれが出にくくなります。そのため、光芒はあっているがピントは合っていない、という状態になっていたかもしれません。しっかり原理を考えて使うことは何事にも重要ですね。

ひとまず今回はそのまま観測を続けました。

M4

最初の対象は、さそり座の球状星団M4です。C8は焦点距離が長いので、画面いっぱいに星団を捉えることができます。

続いては、さらに小さな球状星団、同じくさそり座のM80です。

M80の無数の星々

小さな星団でもこれだけ大きく写せるというところが、C8の良さだなぁと感じました。ちなみにDX130AZだと以下のような画角になります。

M80 DX130AZで撮影

焦点距離が約3倍違うことで、倍率も3倍の差があり、随分と印象が変わります。それぞれに良さがあるなと思います。

C8を使ってみた感想をまとめてみたいと思います。2台目の望遠鏡ということで、1台目のDX130AZとの違いを色々と感じることができました。

  • 像が大きい!小さな星団も大きくみれる。サイズの小さな惑星状星雲を早くみてみたい。
  • 画角が狭い。AZ-GTiの追尾精度では自動導入が不完全になるため、周辺を手動で探す必要があり、難度が高め。「プレートソルビング」の必要性を感じてきた。
  • 重量感がある。経緯台に片持ちでつけているが、モーメント負荷がすごそうで、経緯台の寿命を縮めている気がする。カウンターウエイトをつけたい。

天体観測は、次々にやりたいことが出てくるところが、ものづくりの趣味との親和性が高く、とても楽しいです。

ただ……望遠鏡改造以前に、カメラの性能が気になってきました。今使っているカメラはASI482MCという非冷却のカメラなのですが、界隈ではノイズが不安定かつ、事実上のレンジが狭いと忌避されているそうです。今回改めてそれを実感しました。

ダーク補正(望遠鏡に蓋をして、真っ暗な時のセンサノイズを撮影し、それを差し引くことで綺麗な像を得る補正)をしてはいますが、補正前の状態は以下のような上下真っ白な写真になります。

ダーク補正前の画面

また、ホットピクセル(光が当たらなくても明るく反応しまっている画素)も消しきれず、先ほどのM80の写真をよく見ると、全体に擦れたようなノイズが乗ってしまっているのが見えます。

C8を気持ちよく使うためにも、まずはカメラを良いものに買い替えたいという気持ちが強く、早くも沼に足を踏み入れてしまいそうです!

今回はここまで。次回は同日に行ったDX130AZによる初夏の星雲・星団の観測の様子をご紹介します。お楽しみに!


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