紫金山アトラス彗星 in大阪

こんにちは!エンサイ・カフェへようこそ。

今回の内容は、10/12に地球に再接近した、紫金山・アトラス彗星の観測記録です。

iPhone 15 10sec露光 手持ち

紫金山・アトラス彗星とは

紫金山・アトラス彗星は、2023年1月に発見された、巨大彗星です。

彗星とは、太陽を周回する、氷とチリの塊です。星が尾を引いているように見えるところが、他の天体と大きく違います。

この尾は、彗星が太陽に接近したときに、その氷が溶けて、ガスやチリが飛び出し、それらが、太陽からのプラズマ粒子の風によって流されたものです。

特に今回の彗星は明るく、肉眼でも長い尾を確認できたという報告が、SNSやニュースでたくさん紹介されています。肉眼で見える彗星は少なく、見える期間も短い場合が多いので、その珍しさから多くの人を惹きつけてます。

彗星は太陽の周りを回っているので、ものによっては数十年周期で再び観測できますが、紫金山・アトラス彗星は周期が数万年レベルで長いか、あるいは太陽系から外れる予想のようです。

この機会を逃すわけにはいきません。

観測1日目

彗星専用機材などは持っていないため、いつもと同じ機材で撮影に臨みます。

  • F5ニュートン望遠鏡 DX130AZ
  • CMOSカメラ ASI294MC
  • 双眼鏡 BR6x30WP
  • スマホ iPhone 15

彗星が地球に再接近する10/12(土)、我々は大阪で最も西日が綺麗に見える場所のひとつ、生駒山スカイラインの、パノラマ展望台に向かいました。

日没直後に到着すると、駐車場はほぼ埋まっており、20人近くの人が展望台から西の空を眺めていました。月の近くは晴れていましたが、西の空は雲が出ています。

結局、19次ごろまで待ち続けましたが、彗星は見えず、結果は惨敗でした。

手ぶらで帰るのも悲しいので、月を見ていたら、何人か興味を持って話しかけてくれたので、ミニ観望会を開催してきました。電視観望も、まだまだ一般の人には珍しいということもあり、画面いっぱいの月と夜景を楽しんでもらえました。

観測2日目

10/13(日)は五月山ドライブウェイに向かいました。夕日の眺望は1日目のパノラマ展望台の方が良いのですが、家からの距離と、交通費的に2日連続は厳しかったので、場所を変えました。

車を走らせつつ、西にひらけたところを見つけて、望遠鏡を設置します。到着したのは17時半。まだ日暮まで少し時間があります。

西の空が暗くなっていくのを眺めながら目を凝らし続けていると…

iPhone 15 手持ち撮影

ついに、それらしい影を発見しました!時刻は18時ちょうど。写真の中央のところに、非常に小さいですが、白っぽいものが写っています。

ASI Liveの画面

望遠鏡でも、しっかりとその姿を捉えることができました。

さらに30分経過した18:30には、日が沈んで周囲も暗くなり、肉眼でも鮮明にその姿をみることができました。美しく長い尾を引いています。

以下の写真はスマホでの手持ち撮影です。iPhoneの夜景撮影性能にはいつも感動します。

iPhone 15 10sec露光 手持ち 色調整

望遠鏡でも、画面いっぱいに彗星のシルエットを写すことができました。尾は長すぎて、画角に収まりません。

DX130AZ, ASI294MC, 2秒露光, スタックなし

そのまま美しい尾を引きながら、19時前には西の山に沈んで行きました。


人生初の彗星観察が成功に終わり、また天文の楽しみをひとつ知ることができました。

今回、彗星は、観測時間が限られる本当に貴重な現象だと実感しました。平日は仕事が遅く、土日しかチャンスは無かったので、晴れてくれて良かったです。2日目の西の空が曇っていたら、きっとアトラス彗星は一度も見れずに終わってしまっていました。

幸運に感謝しつつ、次の彗星を楽しみに待ちたいと思います。